「シルバーコレクター」と呼ばれた馬をご存知でしょうか?2着が多かったのでこんな名前がついたのですが、その馬の名前は「ステイゴールド」です。最後の引退レースで、武豊の騎乗でG1を勝利したドラマチックな馬です。
アラフォーの方には、ものすごく印象深い馬だと思います。
ステイゴールドは、国内で大活躍をしましたが、最後まで国内GⅠレースを勝つ事が出来ませんでした。
しかし、天皇賞・春で「メジロブライト」の2着、宝塚記念で「サイレンスズカ」の2着、天皇賞・秋でも「オフサイドトラップ」の2着、翌年の天皇賞・秋でも、またまた「スペシャルウィーク」の2着と、G1で4度も2着に入っています。
不思議な事に、GⅡでも2着が何度もありました。
「ステイゴールド」の主戦ジョッキーは、熊沢ジョッキーでしたが、当時は重賞さえ勝つ事が出来なかったので、何としても重賞制覇を成し遂げたかったので、目黒記念で武豊に騎乗を依頼しました。
池江調教師は「心を鬼にして、すべてをユタカ君に任そうと思いました」と語っていました。
武豊ジョッキーは、その期待に見事に応え、重賞初制覇を果たしました。
さすが武豊!!素晴らしい騎乗でした。
「ステイゴールド」が目黒記念で重賞初制覇を果たしましたが、この「ステイゴールド」の勝利は、競馬ファンみんなが喜びました、実際に、土曜日の雨のレースにも関わらず観客席からはGⅠ並の声援と拍手が送られました。
武豊ジョッキーも「土曜の、しかも雨降りのGIIなのに、クラシックレース並の大拍手で迎えられて、ステイゴールドの得難いキャラクターというものを肌で感じました。池江先生なんか感激で泣いてるんですからね。まわりの、そうした空気というものに一番の驚きを覚えましたね」と語っていました。
まさに、ステイゴールドの人気を証明したレースになりました。
その後、ドバイシーマクラシック(GII)で、再度、武豊を背中に、単勝34倍と言う、ブービー人気を跳ね返して見事に勝利を収めました。
そして、その後の京都大賞典では、当時、最強と言われていた、テイエムオペラオーと菊花賞馬ナリタトップロードを下し、1着入選しましたが、後藤ジョッキーの斜行で結果的に、失格になりました。
これも、また「ステイゴールド」っぽくて、面白いレースですよね。
そして、通算50戦目となった引退レースは、香港ヴァーズ (GⅠ)でした、結果的にGⅠを勝つ事が出来ないまま、引退レースを迎えました。しかし、ここで「ステイゴールド」がやってくれました。
何と、引退レースで、悲願のGⅠ制覇を果たしました。
最後の直線では、アタマ差をかわし、1着でゴールしましたが、この時の武豊ジョッキーは「まるで背中に羽が生えたようだった」とステイゴールドに最大の賛辞を送りました。
引退レースでの、悲願のGⅠ制覇達成!!こんな離れ業を成し遂げるのが、ステイゴールドなんですね。
だからこそ、多くのファンがステイゴールドを応援していたんですね。
当初は引退式は予定されていませんでしたが、ファンからの要望で、京都競馬場で引退式が行われました。
ステイゴールドは、まさに、「記録より記憶に残る馬」という言葉がぴったりの名馬ですね。
引退後は種牡馬としても大活躍しており、三冠馬「オルフェーヴル」、GⅠ4勝馬の「ゴールドシップ」を輩出しており、最近では、種牡馬としての人気がどんどん上がって来ています。
「シルバーコレクター」と呼ばれた馬ですが、ファンを魅了した、名馬中の名馬だと思います!!
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